【モートン病を自覚するまでの症状】
まだ痛みがなかった頃
私は40代後半から、靴を履いて外出している時に、足の裏に違和感をおぼえるようになりました。なにか、足の指のまわりに小さいブニュブニュした袋があるような感じ。
その時期は痛みはなかったのですが、どうにも気持ちが悪く、家で裸足になったとき、よく足の裏や指周りを揉むようにして、そのブニュブニュがどこにあるのか調べていました。が、なぜかそういう時には見つけられず、とても不思議でした。しかし、通勤用のローヒール・パンプスを履くと、またブニュブニュの感触が生じるのでした。
痛みが出た!
数年経って、ついに歩行中に、ちょっとした角度によってブニュブニュ周りに痛みが走るようになりました。どうやらパンプスが足の指を抑えるのでよくないのかと思い、健康的なスニーカーの品揃えで有名な某靴屋さんでスニーカーを買い、それを履くようになりました。そうすると、パンプスよりは明らかに痛みがなくなりました。
ホッとして、スニーカーで通勤する日々(スニーカーでも許される勤務先だったので幸運でした)に切り替えました。しかし、それも長く続きませんでした。スニーカーでも、足の中が痛むようになってきたのです。
病院を受診しようとおもいましたがどこに行けばよいのか分からず、まずはAI症状検索エンジン「ユビー」に頼ることにしました。
私の入力内容の結果、疑われる病名がいくつか表示されたので、それらを検索してみました。すると、その中に初めて聞く「モートン病」というのがあり、この病気の説明がまさに自分にドンピシャでした。
中年女性が多く発症すること。足の指の骨まわりに神経腫ができること。発症が多い部位として図解されていた場所は、私の足の中に感じるブニュブニュが感じられる場所とほぼ一致しており、ブニュブニュはまさにこの神経腫なのだと思いました。
そういえば、若いころに、痛いのをがまんして5㎝くらいのヒールのパンプスを履いていた時期もあったっけ……。あの頃は、靴は痛いのを我慢して履くもの、とさえ思っていました。
整形外科を受診
そこで、近所で人気のある整形外科を受診しました。レントゲンも撮りました。私の話を聞いて、お医者さんは
Mulderテスト(足趾の付け根の部位で足を横から挟むように圧迫する。これで痛みが起きれば、モートン病の疑いが濃いらしい)もしました。ところがそのテストでは私は痛みを感じませんでした。
そのせいか、先生は特に病名はおっしゃらず、
「湿布を出します。痛みがつよくなるようでしたらロキソニンを処方します。靴の中敷きを自分の足に合ったものに変えてみてください」
とのお話でした。
足の根本的な治療をせず、お薬で痛みを感じなくする、ということには抵抗がありましたので、ロキソニン処方はおことわりしました。
その頃には、スニーカーでも、サンダルでも歩行中ずっとブニュブニュの感覚があり、角度によっては激痛も走りました。元々もっていた、パンプス類はすっかり履けなくなりました。足を入れて、立つだけで激痛が続き、歩行が不可能となったからです。
当時の不安
実は私はそれまでウォーキングが大好きで、友人と、20㎞ほど月に数回いろんなコースを歩くことを楽しんでいました。
普段の通勤の日も、自転車を使わず、なるべく歩くようにしています。一日、8000歩ほど歩くのが普通で、快適でした。
しかし、このままではウォーキングができなくなるのではないか……。いや、ウォーキングどころか、通勤さえできなくなるのではないか……。それがその頃の最大の不安と恐怖でした。
私の足でも痛みが出ない靴が欲しい!
再度整形外科に行ったところで、私の場合はあまり症状の改善にはつながらないように思われ、とにかく痛みなく歩ける中敷き、あるいは靴を探さねばいけない、と思うようになりました。
そして行ったのが、「フィンコンフォート (FinnComfort)」の靴の取扱店である「グリュン・シューズガーデン」さんでした。(ほかのブランドの扱いもあります。)
なぜ、いきなり「グリュン・シューズガーデン」さんに直行したかについては、説明が必要です。
数年前、ポストに投函されていた地域情報紙に「グリュン・シューズガーデン」紹介記事が掲載されていました。それを、私はなぜか切り抜いて保管していました。
そして私の足が痛むようになった少し前、そのお店で、長男の足を測定していただいたことがあったのです。長男は足の形がちょっと変わっているようで、なかなか合う靴が見つからず、困っていたためその記事のお店にいくことにしたのでした。
長男の足のフットプリントをとって測定していただき、彼の足をみたとたん、お店のご主人が、
「ハンマートウになりかけています。放っておくと、膝の痛みや腰痛が出ますよ」
とおっしゃり、驚きました。
そして、長男の足に合う靴を見立てていただきました。そこで購入した靴は本当に歩きやすく疲れない、と息子は何度も言っていました。
そのような姿を実際に見ていたので、これはもう私も行くしかない、と思った次第です。
やっぱりモートン病
私の足もフットプリントをとっていただき、足を見て頂きました。
人間の足にあるアーチ3つのうちの1つ(土踏まずのところ)が、私の場合、ギューッと縮こまるように高くゆがんでしまっているとのことでした。なので、足の甲を上からしっかりと、押さえてくれる靴が必要であるとのことでした。
痛みの様子などお話したところ、
店主「モートン病ですね……」
私「スニーカーを履いても、痛くなるんです!ヒールがないのに」
店主「スニーカーは全体的に素材が柔らかすぎて、足のアーチのゆがみを抑えられないんです。〇さん(私)の場合、革靴で足の甲を上からしっかり押さえてあげることが一番です」
とおっしゃり、目からウロコでした。なるほど……。
そこで、私の足に合いそうな靴を選んでいただきました。
履いてみる前の不安感……。履いてから、一歩を踏み出す前の緊張感……。
「え?全然痛くない!」
なんと!全く痛みが出ませんでした!天にも昇る心地とはこのことでした。本当に、本当に嬉しかったです。
通勤&ウォーキング用の靴を決めてから、恐る恐る聞いてみました。
「もうちょっとフェミニンなものも欲しいです… 私に合うパンプスはないでしょうか?」
店主「もうヒールの高いものは履かないほうが…… (すこし哀しげな、温かい微笑)」
ガックリする私。パンプスさん、さようなら~~ 今までありがとう~~!
そこへ
「これはいかがでしょうか」と店主が示してくださったのは、ヒールの高さはないけれど、デザインがパンプスに近い女性らしさを感じさせるものでした。ちょっとホッとする私。
Finn Comfort (フィン コンフォート) の靴
私はそのお店で買った靴を買って本当に良かったです。フィンコンフォートの靴を履いていると、ブニュブニュ(たぶん神経腫)の存在が全く感じられないのです。しっかりとした皮革で、足の裏と甲から足をおさえ、靴ひもを結ぶことで、足のアーチが望ましい角度に保たれているからのようです。
Finn Comfortはドイツの企業ですが、やはり靴と人間のつきあいは、ヨーロッパのほうが圧倒的に長い…ということなのでしょうか。日本では、靴は家の中では履きませんしね。
靴への感謝。お店への感謝。
正直、靴の見た目はややゴツめです。が、快適に歩ける、ということが私にとっては最優先課題ですので、不満は全くありません。もし、あのまま足の痛みが続いていたら、もしかしたら私は出勤が苦痛になり、好きなウォーキングもできなくなり、鬱になっていたのではないかとおもうのです。あの靴が、私を救ってくれたのです。
それを思うと、グリュン・シューズガーデンさんの記事が地方情報誌に載っていて自宅のポストに入っていたこと、その記事に惹かれて、何気なく切り取って何年も保管していたこと、が不思議な縁と思われてなりません。
(誤解のないよう申し上げると、お店には、優雅でエレガントなデザインのパンプスもあります。モートンの私には履けないだけで……)
モートン病に悩む方々へ
モートン病と一口に言っても、その症状は人それぞれでしょう。本当に深刻な状況の場合は、手術も必要とききます。その苦しみ、お察しいたします。
もしかすると、フィンコンフォートの靴をもってしても、痛みが出てしまう方もいらっしゃるかもしれません。
あるいは、「あのゴツい靴を履くくらいなら、ほっそりパンプスを履くために手術したほうがましだ」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
いろいろおありでしょうが、私の場合は、一時期は歩くたびに激痛に襲われ、真っ暗な気持ちになっていたところを、思い切って靴を変えたことで、痛みを感じずに歩くことができる生活を取り戻せました、ということをお伝えしたかったのです。
もし、私のような、モートン病のようだけれど、医療的には対処のしようがない、手術が必要ではない、でも歩くと痛くて苦しい、という方がいらっしゃいましたら、まずは足を計測できて、足に合う靴を選んでくれるお店に行ってみて欲しいです。
いろんな靴屋さんがあると思うのですが、私の場合は、フィンコンフォートの靴が合いました。
(もちろん男性の靴もあります!)
どうか、皆さまが足の痛みを感じない靴と出会えますように。心から祈っています。